vs 法政工

vs 法政工

悪夢のような試合から一年、あの時と同じグラウンド。今年はチャレンジャーとして入替戦に臨んだ。ここまでの戦評でも述べてきた通り、今年のチームはこの試合に勝つために全てを組み立ててきた。ここで勝たなければ意味がない。

試合序盤、相手のペナルティから敵陣深くまで攻め込む。ラインアウトモールを崩されるも、FW、BKのハイテンポなアタックから相手のペナルティを誘った。これまでであれば再びトライを狙いに行く場面であったが、ここは当初のゲームプラン通り手堅く3点を獲り、精神的優位に立つことを選んだ。前半10分、SO安藤のPGで先制する。相手キックオフを深く蹴り込まれ、相手のしつこいアタックにより自陣に釘付けにされる。BYも負けじど粘り強いディフェンスで対抗、凌ぎ切った。しかしその後も相手のロングキックにより自陣を脱出できない。重ねてこちらが犯した不用意なペナルティからFWでフェイズを重ねられトライを許してしまう。敵陣まで攻め込む場面が見られるもラインアウトが安定せず、ボールをキープできない。相手アタックに対しては前に出るディフェンスでゲインを許さないが、キックを駆使したエリアマネージメントで不利に立つ。自陣深くのラインアウトから不用意なミスでこぼれたボールを相手に拾われ、あっさりとトライを許してしまった。その5分後、相手のロングキックで陣地を取られたところからこちらのペナルティでまたしてもピンチに立つ。ラインアウトモールとリモールという今年BYが得意としてきた形でトライを取られてしまう。キックを決められ18点差、精神的にも苦しい状況となる。さらにその8分後、相手の勢いに乗ったハイテンポなアタックについていけずトライを許す。前半最後WTB古澤が相手タックラーを二人外しながらライン際を駆け抜けるが、トライには繋がらなかった。前半終了して23点差、絶望的な点数である。

後半最初は中盤での攻防が続く。後半10分、相手の裏へ転がしたキックがアンラッキーな形で相手の懐へ入り追加点を許してしまう。しかし、ここからBYの反撃が始まる。キックオフ直後相手のミスキックをが味方へ入りFW、BK一体となったハイテンポな攻撃でつなぎ、ゲインを重ねていく。アドバンテージが出た状態から外へ展開し、最後はCTB水石がねじ込んでトライした。その後BYはキックオフのボールを自陣から展開していく。SH藤浪の素早い球捌きを起点としたアタックで毎フェイズゲインラインを突破していく。自陣22mから始めたATであったが、最後はPR鳥飼がラックサイドからトライを決めた。およそ22フェイズ、時間にして3 分。全員がミスなく繋いだこのトライは近年のBYでのベストトライといっても過言でないだろう。このトライをきっかけにいつものBYらしさを完全に取り戻した。その後も同様に自陣深くから展開していく。PR桑原らの鋭い突破もあり敵陣ゴール前まで攻め込むが、トライを取りきることはできなかった。その後、中盤で相手のゆっくりとしたアタックからボールを奪えず、時間だけが過ぎていく。結果PGを決められ点差を広げられてしまう。この時点で残り8分、点差は10。マイボールキックオフからラッキーな形で味方にボールが入ると、それをすぐさま展開していく。ゴール前でFWが押し込もうとするが、相手のオフサイドによる認定トライで残り3点差に詰め寄った。この時点で残りノータイム。BYに残されたチャンスは一度きり。自陣深くからSO安藤、CTB上村のロングパスで左右に大きく展開していくがゴールまではたどり着かない。最後まで繋ぎきることができず、ここで試合終了となった。

後半の驚異の追い上げも届かなかったが、今年1年間準備してきたことが全く通用しなかったというわけではない。前半について言えばゲームプランを遂行する能力が相手のほうが高く、こちらの思う通りに進まなかった。またそこからの切り替えが遅くなってしまったことも原因に挙げられるだろう。しかし、後半の圧倒的なアタックの精度は今年1年間基礎を磨いてきたことと、今まで引き継がれてきた「BYBらしいラグビー」が一体となった結果だろう。Team安藤はこの試合をもって終わりとなる。このチームで得たことを糧にして我々は前を向いて進んでかなければならない。1年後Team角田がこの場所で笑顔でいられるように。

29-32 BYBの敗北 (前半3-24 後半26-8)

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