昨年度、第88代主将を務めました古屋慧です。
昨年度を一言で総括するならば、「耐え」という言葉が最もふさわしい1年だったと思います。2020年から世間を騒がせ始めた新型コロナウイルスは相変わらず猛威を奮いシーズンまでの準備期間は1ヶ月。そんな中迎えたシーズンでは初戦の逆転勝利のおかげでギリギリで1部リーグ残留。幾度も追い込まれながら何とか食らいついた、そんな1年間でした。振り返れば1年前、自身が主将に就任した際に掲げた目標は「日本一奪還」。現実と理想のギャップの大きさに自身の力不足を痛感しております。
しかし同時に、「耐え」の1年を経験したことで学んだこともあります。目の前の課題にフォーカスするのがいかに大切かということです。実は昨シーズンの開始直前、練習試合で大敗しこのままではシーズンの勝利が危ういという状況でした。そこでもう一度課題を見つめ直し戦術を大幅変更した結果、初戦での逆転勝利につながりました。厳しい状況の時こそ原点に立ち返ることで光が見えてくることもあります。どんなに立派な戦術や緻密な練習計画を立てたとしても実際にそれ通りに上手くいくことはほとんどありません。ましてコロナ禍においては明日の練習があるかどうかすら分からない状況が毎日続いていきます。そんな中で求められるのは「計画通りに遂行すること」ではなく、「状況に適応して目の前の課題にフォーカスすること」だったと気付かされました。
そしてこれを可能にさせているのは、BYBだからこそ育まれる主体性や柔軟性です。BYBには指導者がいないため普段から学年に関係なく自ら考え意見を発信し、上級生はその意見が良いものであれば快く受け入れるという文化が根付いています。これこそがBYBの最大の魅力であり、他チームと最も違う点であると自負しています。
この1年の経験を通じてBYBはより深みが出てさらに高みを目指せるチームへと変わりつつあります。そんなBYBで共にチームを作り上げてくれる新入生の皆さん、是非一度グラウンドに足を運んでみてください。生涯の思い出に残る素晴らしい場が待っていることをお約束いたします。
第88代主将 古屋 慧